QA担当者視点で「Androidテスト全書」の特に読んで欲しいポイントをまとめる

Androidテスト全書」をとりあえずざっくりと読んだので、QA担当者視点で開発者・QA・PM問わず「ここは読んで欲しい」と思ったポイントをまとめる。

peaks.cc

目次

TL;DR

まず「Androidテスト全書」発売おめでとうございます。執筆者・関係者の皆さま本当にお疲れ様でした。

今回の記事は普段のブログ運用ルールによると「エモいことを書くブログ」に書くべき内容なのですが、Android Test Night #5 - Androidテスト全書の回の聴講席がご用意されたため、ある意味名刺代わりにこちらの技術メインのブログに書くことにしました。

testnight.connpass.com

前提

この記事は「Androidテスト全書」をもう読んだ人、あるいはこれから読もうと思っている人を読者として想定している。

書いているのは今年から都内でAndroidアプリの手動テストを主業務としている人間(元Web系開発者)である。

本の中から「この部分は開発者に再認識して欲しい」「この部分は手動テスト専門の人にもきっと役立つ」と感じた部分を取り上げ(開発者でも自動化エンジニアでもない)手動テスト担当者としての感想を加えた。

「第1章 テスト入門」

第1章ではテストを「なぜやるのか」「どうやるのか」について意識しておいた方がいい、基本的な内容が書かれている。ここに書かれている内容はAndroidに限らずiOSやWebなどあらゆるアプリケーションに通じるはず。

特に「1. 2 Androidのテストの種類と手法」では、以下のテストの内容や目的に加えて強みと弱みについても解説されている。

このセクションに書かれている内容に自身の経験を加味して図を作成してみた。

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「1.2 Androidのテストの種類と手法」を元に筆者作成(2018/11/16 updated)

もし手動テストをやる人員が増員されたとして、その人がほとんどソフトウェアテストについての知識を持っていない場合、私はこの第1章をとりあえず読んでもらうだろう。

「第4章 UIテスト(概要編)」

第4章はUIテストの自動化についての内容だが、特に「4.1 UIテストの自動化をはじめる前に」ではプロジェクトにテスト担当者がいることを前提にした記述になっている。

例えばテスト自動化の目的を「テスト担当者の精神的負担を軽減」するとしたとき、自動化の範囲も「QAエンジニアが負担に思っているテストを重点的に自動化する」ように定まっていくとしている1

自分の経験を交えて言えば、テスト自動化の目的や範囲、なぜそう定めたかという情報はぜひ手動テスト担当者にも展開して欲しい2。「ここまでは自動化でカバーします」「じゃあここから先は目視で頑張ります」という合意がとれていると「退屈な(精神的に疲れる)テスト」に必要以上に時間を費やしたり、それによって自動テストが不得意な分野のカバーが不十分になったりすることを避けられるからだ。

全体を通して

この本は主にAndroidアプリのテスト自動化について書いているが、決して手動テストの必要性を否定していないし、(特にUIテストにおいて)手動でテストすることを前提とした書き方になっていると思う。

自動テストでカバーできる範囲はどんどん広がっているが、最終的にAndroidアプリは人間の手のひらの中のデバイスの上で動く。この本を読んでいて「自動化の対象外にする」という記述が現れたときは、そこで手動テスターが必要であるということを思い出してくれると手動テスターとしては嬉しい :bow: :pray:


  1. テスト自動化の観点で言えばこの後の自動化しない項目の決め方の方が重要かもしれない。

  2. 体制やテスト担当者のスキルによって深度を変える必要はあるだろうが、モチベーションは絶対に上がるはず。