QA担当者視点で「Androidテスト全書」の特に読んで欲しいポイントをまとめる
「Androidテスト全書」をとりあえずざっくりと読んだので、QA担当者視点で開発者・QA・PM問わず「ここは読んで欲しい」と思ったポイントをまとめる。
目次
TL;DR
まず「Androidテスト全書」発売おめでとうございます。執筆者・関係者の皆さま本当にお疲れ様でした。
今回の記事は普段のブログ運用ルールによると「エモいことを書くブログ」に書くべき内容なのですが、Android Test Night #5 - Androidテスト全書の回の聴講席がご用意されたため、ある意味名刺代わりにこちらの技術メインのブログに書くことにしました。
前提
この記事は「Androidテスト全書」をもう読んだ人、あるいはこれから読もうと思っている人を読者として想定している。
書いているのは今年から都内でAndroidアプリの手動テストを主業務としている人間(元Web系開発者)である。
本の中から「この部分は開発者に再認識して欲しい」「この部分は手動テスト専門の人にもきっと役立つ」と感じた部分を取り上げ(開発者でも自動化エンジニアでもない)手動テスト担当者としての感想を加えた。
「第1章 テスト入門」
第1章ではテストを「なぜやるのか」「どうやるのか」について意識しておいた方がいい、基本的な内容が書かれている。ここに書かれている内容はAndroidに限らずiOSやWebなどあらゆるアプリケーションに通じるはず。
特に「1. 2 Androidのテストの種類と手法」では、以下のテストの内容や目的に加えて強みと弱みについても解説されている。
- ブラックボックステストとホワイトボックステスト
- 手動テストと自動テスト
このセクションに書かれている内容に自身の経験を加味して図を作成してみた。
もし手動テストをやる人員が増員されたとして、その人がほとんどソフトウェアテストについての知識を持っていない場合、私はこの第1章をとりあえず読んでもらうだろう。
「第4章 UIテスト(概要編)」
第4章はUIテストの自動化についての内容だが、特に「4.1 UIテストの自動化をはじめる前に」ではプロジェクトにテスト担当者がいることを前提にした記述になっている。
例えばテスト自動化の目的を「テスト担当者の精神的負担を軽減」するとしたとき、自動化の範囲も「QAエンジニアが負担に思っているテストを重点的に自動化する」ように定まっていくとしている1。
自分の経験を交えて言えば、テスト自動化の目的や範囲、なぜそう定めたかという情報はぜひ手動テスト担当者にも展開して欲しい2。「ここまでは自動化でカバーします」「じゃあここから先は目視で頑張ります」という合意がとれていると「退屈な(精神的に疲れる)テスト」に必要以上に時間を費やしたり、それによって自動テストが不得意な分野のカバーが不十分になったりすることを避けられるからだ。
全体を通して
この本は主にAndroidアプリのテスト自動化について書いているが、決して手動テストの必要性を否定していないし、(特にUIテストにおいて)手動でテストすることを前提とした書き方になっていると思う。
自動テストでカバーできる範囲はどんどん広がっているが、最終的にAndroidアプリは人間の手のひらの中のデバイスの上で動く。この本を読んでいて「自動化の対象外にする」という記述が現れたときは、そこで手動テスターが必要であるということを思い出してくれると手動テスターとしては嬉しい :bow: :pray:
無趣味なエンジニアにはオライリーの技術書を贈る
概要
煙草飲みや酒飲みについて、プレゼント選びは簡単である。 しかし相手が全くの無趣味か、重度のオタクである場合プレゼントの選定が難しい。 当記事では無趣味なエンジニアに対し、オライリーの技術書を贈るメリットと、2016年のクリスマスプレゼントにぴったりなオライリーの技術書を紹介する。
なぜオライリー(O'REILLY)の技術書がプレゼントに相応しいのか
優れた実用性
オライリーの技術書は、発刊スピードこそ遅いものの(故にアップデートがスピーディなAndroid分野は鬼門である)各分野において体系的な理解を得ることができる。
また、オライリーの技術書は英語で書かれたものを日本語訳したものであり、たいへんわかりやすい構成になっている。英語で書かれたドキュメントの読みやすさは言うまでもない。
一貫したデザイン思想に基づく装丁
「ラクダ本」「リャマ本」のように、オライリーの技術書は動物の木版画を表紙に用いた美しいデザインになっている。きっと味気ないデスクの上の彩りになるだろう。
- 作者: ラリーウォール,ジョンオーワント,トムクリスチャンセン,Larry Wall,Jon Orwant,Tom Christiansen,近藤嘉雪
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 94回
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- 作者: Randal L. Schwartz,brian d foy,Tom Phoenix,近藤嘉雪
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/07/25
- メディア: 大型本
- 購入: 7人 クリック: 22回
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高いコレクション性
オライリーの技術書がカバーする分野は多岐に渡っており、かつ「入門」「実践」「応用」と膨大な冊数が刊行されている。 前述のデザイン性もあり、「持ってるだけで幸せになれる」「いざとなったら上司をオライリーの角で殴ればいい」とコレクションしているエンジニアもいるはずだ。 世間には「O'REILLY COLLECTION」という、オライリーの本を集めるだけのゲームさえ存在する。
なお、現在オライリージャパンの直販サイトでは2017年のアニマルカレンダーをおまけにつけてくれる。実際にもらうには備考欄に「カレンダー希望」と記載する必要があるため注意が必要である。
Sales Information - 今年一年の感謝を込めて2017アニマルカレンダーのプレゼント - 2016年12月のWeb直販キャンペーン
2016年のクリスマスプレゼントに相応しいオライリーの本
オライリーの本がプレゼントに相応しいことについては既に述べたとおりである。 ここからは、私が実際に夫に贈る3冊を紹介する。
『デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド』
デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド
- 作者: Richard Banfield,C. Todd Lombardo,Trace Wax,安藤幸央,佐藤伸哉,牧野聡
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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我が家は夫がモバイルアプリエンジニア、私が(一応)フロントサイドエンジニアである。デザインを素早く決め、確実に伝え、スピーディーに開発に移行する技術を学べる本はどちらにとっても有益である。
『アルゴリズムクイックリファレンス 第2版』
- 作者: George T. Heineman,Gary Pollice,Stanley Selkow,黒川利明,黒川洋
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/12/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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動作スピードの向上は美しいアルゴリズムによって実現される。『Perlクックブック』とか超懐かしい。ソースをGitHubからforkできるのがなかなかに旨味がある。
『Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)』
Cooking for Geeks 第2版 ―料理の科学と実践レシピ (Make: Japan Books)
- 作者: Jeff Potter,水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/12/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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専業主婦の視点で言わせてもらうと、複数の料理を同時に調理することは、並列演算処理に等しい。食卓に並ぶ温かい料理が、数学的なアルゴリズムによって作られていることを理解できるに違いない。
書き出しについて
思うに、文章を書くにあたって、書き出しほどむつかしいものはないでしょう。 何しろ、多くの人は文章を「頭から」読むのですから、さいしょに目に入る書き出しのでき具合によって、読み進められるか、読み飛ばされるのかが決るのです。
ブログ名について
「びよーんのつま。」というブログ名は、机の上にあった太宰治の『ヴィヨンの妻』(新潮文庫)からもらいました。
- 作者: 太宰治
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1950/12/22
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 85回
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これは、太宰治が三鷹に住むようになってから、玉川上水に入水するまでの3年間に書かれた短編を集めたものです。これらの作品に共通する破滅的雰囲気、世に言う「デカダン」は私の人生に大きな影響を与えましたが、中学生の時分の私は、将来自分が「デカダン」的な生き方を送っているとは、考えもしなかったでしょう。
このブログについて
いささか不穏なことを申しました。 このブログでは主に以下のことについて記すつもりでいます。
- 家事を楽にするための話題
- 情報技術の話題
- 情報サービスの話題
謝辞
最近改めて機械学習や情報アーキテクチュアに興味を持つようになった私に、ブログを始めるよう勧めてくれた夫・某氏に対して感謝の意を表すると共に、彼の3X歳がよき一年となることをお祈り申し上げます。