新しいMacを買ってインストールするアプリ&設定するもの

今週のお題ゴールデンウィーク2017」

Mac miniが導入されたので環境を整える覚書(随時更新)

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文アルGWイベント支援Webアプリをリリースしました

先日「文豪とアルケミスト」(以下「文アル」)のイベントの進捗を可視化するWebアプリケーションをリリースしました。

【非公式】文アル「『太陽のない街』ヲ浄化セヨ」イベント進捗表

f:id:wifeofvillon:20170429192145p:plain

今回リリースしたWebアプリケーションについて

「文アル」のイベントは2017年4月現在以下の3種類があって、今回はイベントマップを攻略することで「歪んだ歯車」を回収する「歯車集め」です。

  • 歯車集め
  • 「学問ノススメ」
  • 招魂の栞

元々3月末のイベントに合わせて作っていた「学問ノススメ」成績表のソースをそのままコピーして、文言やタブの有無などを編集し、コードをES5からES2015に書き換えています。

wifeofvillon.hatenablog.com

機能概要

今回リリースしたWebアプリケーションには以下の機能を盛り込みました。

  • 歯車回収数の記録
  • 報酬獲得状況をグラフで可視化
  • 「猫の手」(時限バフアイテム)計算
  • 「+1000個」(任務報酬)ボタン←New!
  • 「Tweet」ボタン←New!

ライブラリおよびフレームワーク

  • jQuery:DOM操作
  • js-cookieCookie操作
  • Chart.js:棒グラフの描画
  • Materialize:マテリアルデザインの実現

github.com

(よく見たらREADME.mdの記述が古い、直そう。)

開発に関して

前回の「学スス」リリース後、公式のスマホアプリリリースに向けた課題として「ES2015への書き換え」「Reactでの実装」「スマホ対応」を挙げていましたが、今回(機能をかなり削っているとはいえ)ES2015に書き換えたのでそのへんはすんなりいきそうです。

あと「スマホ対応」なんですが、そもそもユースケースとして「公式スマホアプリとブラウザ交互に立ち上げる」って非現実的じゃないか?と思わんでもないです。

今回イベントマップに1回でも潜書すれば歪んだ歯車が1000個もらえるようになったのでボタンを追加しましたが、「なんかごちゃごちゃしてるな〜」と「へんにスマートにするとわけわかんなくなるんだよな〜」という感覚の間で揺れ動いています。

あと、自分で使ってて気づいたんですけど、このアプリブラウザでタブ固定して使うんでアナリティクスにユーザー数現れないなって。

今後の課題

今日が中原中也の誕生日なことを忘れていたので文アル実装済み文豪カレンダー登録ページ的なものをReactの勉強も兼ねて作りたいですね。

スマホ版事前登録キャンペーン実施中 bungo.dmmgames.com

文豪とアルケミスト オフィシャルキャラクターブック

文豪とアルケミスト オフィシャルキャラクターブック

〆切本

〆切本

「Mastodon」で「federation」を「連邦/連合性」とローカライズすること

トピック「Mastodon」について

概要

「Mastodon」を触ってみたり、以下の記事を和訳して(結果ここには投稿せずFacebookにだけ投げて)みたりして、日本人には「federation」を「連邦」と訳すより、「同盟」や「経済圏」「姉妹都市」と超訳する方が伝わりやすいのに、あえて直訳しているんだろうなと思った話。

www.theverge.com

「連邦タイムライン」という直訳

「Mastodon」で日本語にローカライズされているインスタンスでは「Federated Timeline」が「連邦タイムライン」と直訳されています。しかし、日本人の多くにとって、「連邦」という概念は決して身近なものではないでしょう。

例えば「コトバンク」の「知恵蔵」では「連邦」を以下のように説明しています。

複数の政治単位(共和国、自治共和国、州など)が連邦憲法などによって法的・政治的に結合し、対内的には各単位が自治権と独自の統治構造を維持しながら、対外的には統一国家を形成する状態、あるいは、そのような国家形態。

kotobank.jp

元ページでは詳しい事例も挙げられているので是非読んでみてほしいのですが、日本人にとって一番身近な「連邦」とは「合衆国The States」や「ロシア連邦Rossiiskaya Federatsiya」だと思います。

あいにく私は政治史や地方自治の歴史には疎いのですが、日本の地方自治というものは江戸幕府成立以降トップダウン化が進んでおり、個人的には、おそらく日本が最後に「連邦」的であった時代とは、安土桃山時代なのではないかと思っています。

ここでは「日本の連邦制」について論じたいわけではなく、「Federated Timeline」の日本語ローカライズが「連邦タイムライン」という直訳であることの妥当性の話をしたいと思っています。

「Mastodon」上での「Federated Timeline」の機能

「Mastodon」の「Federated Timeline」は「Mastodon上の全てのインスタンス上のPublicな投稿のタイムライン」ではなく、あくまでそのインスタンスの運営者が「federated」な関係であると指定しているインスタンスへの投稿によるタイムラインです。

ですから、インスタンスによって「Federated Timeline」に流れる投稿の種類は全く違うことがありますし、そもそも「Federated Timeline」を設けていない可能性もあります。

「Mastodon」ではひとつひとつのインスタンスが小さな法治国家というか、コミューンであり、それらが相互の、あるいは一方的な行き来を許可している関係を「federated」と呼んでいるといえば理解しやすいのではないでしょうか。

原語の思想とローカライズ先での理解、どちらを尊重するか

これは複数言語対応を想定している全てのサービスに言えることですが、「原語の思想」と「ローカライズ先での理解」のどちらを尊重するかということは、とりわけCMSSNSではよく考慮されるべきことではないかと思います。

たとえば「I love you」を夏目漱石が「日本人は『我君を愛す』なんて言わない」と考え「月がきれいですね」と訳した逸話がありますが、この逸話が示唆するのは「言語はその言語が使用している人々の文化に下支えされている」という事実です。

Twitter」では「tweet」を「つぶやき」とローカライズしています。そのことで、「Twitter」のロゴがなぜ青い鳥なのか、なぜあえて140字という文字制限を設けているのかという意図は見えづらくなっていますが、「さえずり」と訳すよりは、日本人に定着しやすかったのは確かです。(それこそ、「Twitter」が日本に定着する前は、「さえずり」と訳していた記事も多くありました。)

「Mastodon」において「つぶやき」に相当するものが「toot!」であったり「noot!」であったりと様々なのは、それこそ各インスタンスの思想の表れと考えるべきでしょう。

日本人に「Federated Timeline」の機能を理解させるだけなら、例えば「同盟」や「姉妹都市」のような、現代日本人にも身近な表現を使えばいい。しかし、「Mastodon」が「連邦タイムライン」を採用しているのは、「Mastodon」の日本語ローカライズに携わった人々がその「連邦性」こそが「Mastodon」というサービスの設計思想の核であると判断したからだと考えています。

設計思想によるユーザー弾き

「Mastodon」はナチズムや女性蔑視、宗教的差別その他、そういった投稿を厳しく禁じていて、「連邦」という言葉を残したのも「Mastodon」のサービスそのものが持つ思想性を理解できないなら去れ、という意味合いがあるといっても過言ではないと思います。そういうわけで、思想と言論とが著しく自由な日本で育った人間は、国外のインスタンスに参加する場合、国際的な視点を強く意識しなければならないでしょう。

I Love Youの訳し方

I Love Youの訳し方

文アル春季イベント支援Webアプリをリリースしました

※この記事はMediumのI Released Web App Supporting “Great Writers and Alchemists”を日本語訳し、追記したものです。

昨日、「文豪とアルケミスト」のイベントの進捗を可視化するWebアプリケーションをリリースしました。

【非公式】文アル「学問ノススメ〈桜〉」成績表

f:id:wifeofvillon:20170327231223p:plain

今回リリースしたWebアプリケーションについて

機能概要

今回リリースしたWebアプリケーションには以下の機能を盛り込んだ。

  • 各文豪ごとの合計スコアの記録
  • 報酬獲得状況をグラフで可視化

ライブラリおよびフレームワーク

以下のライブラリ(プラグイン)およびフレームワークを使用した。

  • jQuery:DOM操作
  • jQuery.cookieCookie操作
  • Chart.js:棒グラフの描画
  • Materialize:マテリアルデザインの実現

github.com

開発に関して

構想

(日本語記事限定記述)

このWebアプリケーションは「刀剣乱舞」の「秘境」イベント支援Webアプリケーションを参考にしていて、プレイヤーが重複していることを考え、セレクトボックスでの数値入力やグラフの見せ方はそちらにできるだけ倣っている。

なお、当該アプリケーションには迷惑をお掛けしたくないので、リンクを貼らない。開発者に尊敬の念を捧げる。

動機と結果

開発の一線から退いて久しいため、プロダクトをひとつリリースすることで次のことを把握したかった。

  • 開発者としてどれくらいの時間働くことができるのか
  • 自分の持っているスキルでプロダクトを企画〜開発〜リリースまで持っていけるか

結果として(大変レガシーな作りであるし、モバイル対応も追いついていないが)プロダクトのリリースは成った。

また、工数を記録していたところ、私は週30時間・日5時間までしか開発に費やせないことがわかった。これが今の私の体力的、精神的限界であり、この事実は真摯に受け止めたい。

だが、週30時間安定して働けるようになれば、時短アルバイト可能な現場であれば参加できる。技術面、体力・精神面の課題が明確になった。

今後の展開など

とりあえず早急にやりたいのは「今回ハマったポイントのドキュメント作成」だ。これはMediumとQiitaで発表していきたい。

あとは6月の公式スマホアプリリリースに備えてアプリの磨き込みを行う。

  • ES6への書き換え
  • Reactでの実装
  • スマホ対応

これは他の開発者にとってしょうもない一歩かもしれないが、年単位でブランクのある休日プログラマーにとっては大きな飛躍である。(ニール・アームストロングの名言より)

Special Thanks

今はtogglに移行したが、今回の開発において工数管理には「Clock it!」を利用した。

「開発は1日5時間まで」というルールを設けていたので、ぶっちぎるとゲージが赤くなるのが危機感を持ててよかった。

https://clock-it.com

また「マテリアルデザイン的に正しいのか」などの質問に答えつつ、体力切れで倒れている間家事を受け持ってくれた夫に感謝する。

文豪とアルケミスト オフィシャルキャラクターブック

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文豪とアルケミスト コミックアンソロジー (DNAメディアコミックス)

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テキストエディタAtom入門 (OIAX BOOKS)

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入門系技術記事を英語で書くのはいいぞ

概要

入門系記事を英語で書いてから日本語訳するとものすごい簡潔な記事になる。

実例

GitHubリポジトリをそのままWebサイトとして公開したかったので、実験しつつMediumに英語で投稿した。

medium.com

その記事をそのままGoogle翻訳にかけてQiitaに日本語で(追記しつつもほぼそのまま)投稿した。

qiita.com

英語で技術記事を書くメリット

私の英語力はたったの5、「Goal」を「Gorl」と書いて夫に指摘される程度の雑魚さである。なので英語で文章を書こうとすると、自然と「英語力5」の表現・単語しか使われないエッセンスだけの簡単な文章になる。

一方母語である日本語で書こうとすると、「まだ書き足りない」と感じてしまって冗長で回りくどい文章になる。冗長で回りくどい技術記事にぶち当たって「うるさい結論から言って」と思ったことがある人は少なくないと思う。

また、個人的な感覚だが、言語は「読む」「書く」「聴く」「(一方的に)話す」「会話する」などに用途が分かれていて、どれだけ英語の開発者向けドキュメントが読めても、積極的に書こうとしていかないと、わかりやすいREADMEやコミットメッセージを「書く」能力は伸びにくいんじゃないかな、と思う。

結論

英語力5でもいいじゃない。意味が通じるなら。

雑感

今回実例にあげた記事が私にしてはめずらしく即日「いいね!」されていて、「あーこういう知識ゼロベースからの入門記事って本当需要あるんだなー」と感じた。3/15朝更新のデイリーランキングにも入ったみたいだし。(当該記事は毎日更新されるようなのでスクショを貼らせてもらいました。)

f:id:wifeofvillon:20170315143517p:plain

qiita.com

この記事とかも(かなり古いのに)(霧島さん効果かもしれないけど)結構見てくれている人がいて、自分が当たり前に使っている機能は他人にとって当たり前とは限らないし、それを紹介していくのはとてもいいことなんじゃないかなと思う。

qiita.com

仲良く楽しくものづくりしていこうぜ。

Atom実践入門──進化し続けるハッカブルなエディタ (WEB+DB PRESS plus)

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面白い映画がアホほどある時代に生まれて

概要

月3ペースで映画館に足を運んでいると、もっともっと新作映画を観たくなる。だが現実は厳しい。

目次

「映画を観る」という文化

大学のサークルで映画好きの人たちに出会うまで、私の中に「映画を観る」という文化はなかった。

私が「見る」映画とは専ら宮崎駿で、高畑勲で、ディズニーで、それも、父の買ったレーザーディスクで見るものだった。そこには「映画」という実感はなかった。父によって「良質である」と選別されたコンテンツだけをテレビの画面で見ていた。

夫は「映画を観る」文化を持っている人だ。現在、我が家ではHulu、Amazonプライムバンダイチャンネルなど複数の有料配信サービスで良質な映画を見られるようになっているし、各々観たい映画があれば映画館へ足を運ぶ。

「映画を観る」という習慣は、それが他人のすすめであれ何であれ、自分で見るものを選ぶところから始まるものだと思っている。

他作品の予告映像について

映画館で映画を観ようとすると、実際には、最初の10〜15分は他作品の予告映像が流れる。

これについては賛否両論あるが、私は肯定的というか、この10分がとても楽しい。これは観たい映画を自分の中にストックする機会だからだ。この前「SAO」を観に行って、予告で「見たい」と思ったのは「ひるね姫」「ゴースト・イン・ザ・シェル」「アサシンクリード」「三月のライオン」だった。


映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』本予告【HD】2017年3月18日公開


『ゴースト・イン・ザ・シェル』 | ファースト・トレーラー


映画『アサシン クリード』マンチェスター・ユナイテッドコラボ予告


映画『3月のライオン』主題歌入り予告編

1ヶ月に観る映画・諦めた映画

私と夫が実際に映画館に足を運んで観た映画は、先月の間だけで以下の3本なわけだが、

この3本というのは、少なくとも以下の6本を諦めた上で観た3本だ。

  • 「愚行録」
  • 「たかが世界の終わり」
  • 「マリアンヌ」
  • 「相棒-劇場版IV-」
  • 「スノーデン」
  • 沈黙 -サイレンス-

たとえ夫の分のチケット代を私が負担していなかったとしても、レディースデーを使ったとしても、私は観たい映画をすべて観ることができないのだ。

映画にも「定額プラン」が欲しい

映画を観ることが習慣化している人間は、予告映像に触れる機会が多いため、より劇場に足を運ぼうとする。しかし、1回1800円というチケット代は決して安くはない。したがって、話題作から消費されることになり、潜在的に見込まれる観客動員数を損失し……

面倒臭いので平たくいうと、月額7780円(税込)で映画を観まくれるプランが欲しい。これは1800円×4本+消費税の端数切り上げから出た数字だ。もしくは月額5800円(税込)で特定タイトル以外の映画を観まくれるプラン。これは3本+消費税の端数切り捨て。

もったいないんだよな!!!1800円の壁に阻まれて切り捨てられる映画が存在することがもったいないんだよな!!!観て、感想を言う人がいればもっと観る人が増えたかもしれない、そういう時代に、1800円の壁の向こうにあるはずだった地域タイアップとか円盤とか続編とか配信とか、そういうのに繋がらない作品があるかもしれないのがもったいないんだよな!!!

何より「YouTubeに金払って見ればいいや」になるのがまたもったいないんだよな!!!上映設備がどんどん立派になっていく一方で、ネット配信だけで満足する層がどんどん増えていく。先に私の幼少期の映画体験を示した通り、親の映画鑑賞スタンスがそのまま子供に引き継がれるので、この先映画館暗黒期が来るかもしれない。

ああ、いや、正直に言います、お金ないけど感想ならいくらでも書くので映画を安く観させてください!!!

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

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沈黙(新潮文庫)

沈黙(新潮文庫)

劇場版「ソードアート・オンライン」の感想 #劇場版SAO

概要

昨日、劇場版「ソードアート・オンラインオーディナル・スケール〜」(以下「劇場版SAO」)を観たので、以下の観点から感想を述べる。

  • VR/AR/MR技術的観点
  • 映像作品的観点
  • ストーリー的観点

各項について、見出しには主観による5段階での「ネタバレ度」を表記する。

sao-movie.net

本編とは関係ないが、公式サイトの予告編動画→パララックス的演出というスクロールアニメーションがちょっと楽しい。

目次

用語

Pokémon GO Plus (ポケモン GO Plus)

Pokémon GO Plus (ポケモン GO Plus)

VR/AR/MR技術的観点

「ARが普及する」ということはどういうことか(ネタバレ度★☆☆☆☆)

今回は「TVアニメ版SAOのアインクラッド編を飛び飛びで見た」「アスナのおっぱいがとうといことは知っている」というふたりで観に行ったのだが、これには「VR/AR/MRが普及した世界」のイメージを知る「導入編」となる作品かどうかということを知りたかった、というものがある。

ちなみに、ふたりのあいだでは他の候補として、「電脳コイル」と「PSYCHO-PASS」が挙がっていた。結果からいうと、「VR/ARの概念がある程度わかった上で楽しむ作品」ということで認識は(ほぼ)一致した。

劇場版SAOによって描かれる「ARが普及した世界」とは、次の予告映像の冒頭15秒にほとんど集約されているように感じる。


Sword Art Online Ordinal Scale Movie Trailer 4「劇場版 ソードアート・オンライン オーディナル・スケール 」本予告 2017年2月18日公開

この15秒間の間で最初に注目すべきは、「オーグマー」なるウェアラブルバイスのサイズとデザインである。ARが社会に普及するには、現在重厚なヘッドギアであるウェアラブルバイスが、耳にかけるだけでいいというところまで軽量化されなければならないということを示唆している。

次に、「オーグマー」を通して見える世界が一人称的視点で示される。そのUIは既にiOSAndroidのスタンダードとなったUIに限りなく近い。作中では三人称視点での「オーグマー」使用時の描写ももちろんなされているが、傍目には空中でフリック入力をしているように見える。「オーグマー」は「PSYCHO-PASS」の腕時計状のウェアラブルバイスや、ドミネーター同様、指向性描画および音声によって機能するのだ。

ウェアラブルバイスの簡素化は今作の舞台となる2026年を待たずして実現するであろうし、その頃にはUI/UXのよりベストな実装が考案されているはずである。

PROPLICA ドミネーター

PROPLICA ドミネーター

フルダイブ型VRとARの併用(ネタバレ度★★★★☆)

いきなりネタバレ度が上がるので注意してほしい。

今作では、あるシーンで「フルダイブ型VR」とARが同時に使用される。

SAOは元々「フルダイブ型」という、体は眠った状態で、脳だけでMMORPGを楽しむというより進んだVR体験を主題とした作品である。いわば、思想実験の「水槽の中の脳」だ。AR体験が主題となった今作においてそれらはほとんどコミュニケーションツールにとどまっている。

しかし、今作ではフルダイブ型VR空間をARで投射するシーンがある。

これは道理にかなったことである。オンラインゲーム「ソードアート・オンライン」の中において、プレイヤーは3Dのアバターデータである。データである以上、「ソードアート・オンライン」の中の出来事はARとして描画が可能なのだ。

映像作品的観点

スクリーンで「拡張現実」を体感させる(ネタバレ度★★★☆☆)

本作が挑戦したのは、スクリーンで「拡張現実」を実現することであったのではないだろうか。

例えば、一人称的に繰り返し突きつけられる、登場人物がウェアラブルARデバイスを装着した状態での視野や、(しばしばデバイスの中で再生されているように描かれがちな)スクリーンいっぱいのニュース画面によって狙ったのは、ウェアラブルARデバイスを装着して見る世界の追体験だ。

それだけではない。舞台となるのは秋葉原UDXや代々木公園など、実際に存在する施設だ。そして、ARMMORPG「オーディナル・スケール」を起動する際にはARオブジェクトが東京を上書きする様子が描かれる。さらに、執拗に執拗に描かれる実在製品のロゴ、ロゴ、ロゴ。これらは、まさに「現実の伸長」を体感させる仕掛けであったように思う。

これについては「シン・ゴジラ」にも通じるものがあるように思う。映像作品の「拡張現実」への挑戦については、いつか別のエントリで意見を述べたい。

ストーリー的観点(ネタバレ度★★★★★)

ここからは全力でネタバレをする。

白い蝶

今作では、あるキャラクターが登場する際、必ずといっていいほど蝶が飛んでいる。モンシロチョウだ。

これはそのキャラクターを象徴する存在であると同時に、強いメッセージ性を持っており、実際にそのキャラクターが口にするセリフと繋がっている。

栞紐

今作では、データ化が進んだ世界にもかかわらず、紙の本とノートが繰り返し登場し、それらには栞紐が付属している。

この栞紐は、今作の根幹そのもののメタファーだ。

まとめ

  • ARの定着した世界を追体験できるアニメ映画
  • 映像制作業界が「拡張現実」に挑んでいるのを感じる
  • 画面内に大量のヒントとギミックがある

あ、音楽良かったです。梶浦サウンド強すぎて「まどマギwww」ってなります。サントラ買いました。